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心、こぼれて(完結)

心、こぼれて 22

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22


翌日、涼太は泣きはらしたような母親の顔に一瞬、ぎょっとしたようだが、見かけ以上に明るい声に少しは安心したのか、元気に家を飛び出していった。
ベランダに出て涼太が建物のエントランスから出てくるのを見守る。
案の定、涼太は一人きりで出てきた。

どんな理由をつけたのか、さすがの雅恵も涼太と慎平を一緒に登校させるほど厚顔ではなかったのだろう。

眩い朝日に目を細めながら、心なしか肩の落ちている涼太の背中を見送る。
今すぐ飛び出していってその肩を抱いてやりたいと思いながら、手すりを握りしめた。
大人の軋轢に巻き込んでしまった息子に心の中で謝りながら、階下の雅恵の部屋をうかがう。
体を乗り出したところで3軒向こうの階下をのぞき込むことなどできないが、向こうも息をひそめて尚美の気配を探っているのは感じ取れた。

それほど悪意に満ちた人間ではない、と信じたい。
昨夜、一人のベッドで横たわったとき、最初は雅恵の仕打ちに頭が破裂しそうになっていた。
怒りと裏切られた哀しみに感情が沸騰しそうになったが、一人でしみじみと泣いているうちに、その怒りも絶望も涙とともに流れ出してしまったようだった。
この3年、彼女に救われてきたことは何度もある。
だからこそ大きなショックを受けたのだが、彼女も社宅の呪いにからめとられたに過ぎない、と思いたい自分がいる。

鮎沢も言っていたではないか。
雅恵の言葉を聞いているふりをしながら、周囲の人間は内心彼女を嘲笑していたと。
みんな社宅の陥穽を知っている。
明日は我が身と思いながら、それをうまく潜り抜ける術も知っている。

もっとも、だからと言って雅恵を許せるものではないのだが。
二度と彼女と親しくすることはないだろう。
万が一、謝罪されたからと言って以前と同じように付き合うことはない。
涼太にはかわいそうだが、慎平との付き合いも変わってしまうことだろう。
幸い、すぐに夏休みになる。
計画通り、涼太とともに実家に帰省することになるだろう。

不思議と面と向かってなじる気にはならない。
今、感情的にそんなことをしなくても、鮎沢の言葉を信じれば、いずれ、雅恵は社宅ヒエラルキーでは尚美の下になる。
その時、彼女は今回のことを死ぬほど後悔するに違いない。
そう思うと少しだけ慰められる。

尚美は顔を上げた。
降り注いでくる夏の光を体いっぱいに浴び、その白さに目を焼かれる。
少しだけだけれど、どこか開き直った自分を感じる。

鮎沢のように、呆れ、割り切り、冷笑に近い苦笑でやり過ごすほど強くはなれないが、雅恵を哀れむ気持ちは沸いてきている。
それを傲慢だと恥じるほどには、雅恵を許してはいない。

寝不足なのは否めないが、ぼんやりしていると余計なことまで考えてしまう。
ふいに思いついて、今まで後回しにしてきた不用品などの整理をすることにした。
転勤族とはいえ、やはりここに3年も住んでいるといろいろと物はたまってくる。
特に日々大きくなっていく涼太の衣類はすぐに小さくなってしまう。
一人っ子の涼太は祖父母が買ってくれたものも多く、クオリティも価格も高いので密かに希望している人も多かった。
譲る相手を安易に選ぶと陰で軋轢が生じるのは、社宅に3年も住むとおのずとわかってくる。
幸い、今まで、涼太のものは慎平の弟の陽平に譲ることで暗黙の了解を得ていた。

・・・今後、陽平が涼太の今までのおさがりを着ることはないだろう。
平気で着せるほど無神経ではないことを、慎平や洋平のためにも祈りたいような気持になる。

尚美は小さくため息をつくと、ネットで発展途上国に古着を送る活動をしているボランティアグループを探した。

涼太の帰宅も早く、神妙な顔をして母親のそばにくっついてきた。
父が留守にしている間、自分が母を守らなくてはいけないと思いつめたように。
そんな息子に、もう「慎平君とは遊ばないの?」とは言わない。
今朝、涼太は一人で登校した。
涼太なりに考えるところもあるのかもしれない。

一昨夜、雅恵に慎平が涼太を避けているのではないかと尋ねたとき、夏休みになったら涼太は尚美の実家へ行ってしまうから、と暗にお気楽な尚美たちに非があるように言い訳していたが、それも今となってはむなしい。
多分、慎平に言い含めて涼太とは遊ばないようにさせていたのだろう。

尚美は、自分のそばから離れない息子を抱きしめた。
涼太は照れくさいのか、邪険に母親の手を振り払ったが、大きく距離をあけようとはしなかった。
今は息子だけが味方だった。

夫からの電話は昨日と同様、当たり障りのない会話だけで終えた。
早く帰ってきてほしいと思いながら、心のどこかそれを恐れている自分がいた。

翌朝、谷山から電話が入った。
今号の広報だよりはあとは発行だけなので、あとのことは田中先生に任せてもいいという話だった。
「ありがとうございます。
ご心配おかけしましたが、軽い脱水症状を起こしただけですので、もう快復しました。
先日のお詫びに伺わなくてはならないし、今日、学校へ行きますので、その時に田中先生にもご挨拶してきます」
―――本当に今学期はいろいろとありがとう。
2学期からは吉川さんも復帰するし、私も再来年の中学受験に本腰入れることになるから、仕事を時短するつもりなの。
だから、もっと動けるようになるわ。本当にありがとう。助かった。
ほかの人が動いてくれないから、ついつい近藤さんに甘えてしまったけれど、本当に私たち、感謝しているのよ

谷山の言葉を聞き流しながら、ああ、本当にお詫びと挨拶に行かなくちゃなと思う。
家を出るのは億劫だし、社宅内で誰とすれ違うかもわからない。
哀れみや蔑み、下卑た視線に出会うのはわかり切っているのが、逃げるのは不可能だろう。

昨日の続きで家の中を整理して、二日に一度収集に来る燃えるゴミに出せるものや、次の粗大ごみ収集日に出すものなどを分別して玄関わきに置く。
エアコンを聞かせてはいたが、うっすらと額に浮いた汗をぬぐいながら振り返ると、さほど広くない3LDKの部屋もどこかすっきりとしている。
これなら年末の大掃除はしなくてもいいかななどと気の早いことを考えているうちに学校へ行く時間になった。

玄関を出たところで、偶然、同時に家を出た同じ階の人と目が合った。
工場勤務の人の奥さんで、年上なのでさほど付き合いはない。
軽く頭を下げると、向こうも会釈をして先に背を向ける。
その表情にはなにも浮かんではいない。

内心、少しだけほっとすると、意識していなかったが肩に力が入っていたことに気づいた。
どんな視線にさらされるのかと恐れ、緊張しているのだと自覚すると、尚美はもう一度大きく息を吸った。

子どもが帰宅する時間なので、建物の中や自転車置き場を兼ねた中庭などにはちらほら人影は見えたが、さすがにまだ暑い時間なのでみんな日陰に隠れている。
尚美はその陰から逃げるように足早に学校へ向かった。
夏休みを控えて、職員室はいつにもましてせわしない雰囲気になっていた。
保護者懇談も来週から始まる。
まずは職員室にデスクのある教頭に挨拶して一昨日の詫びと改めて礼を言い、振り返ってほかの教職員にも頭を下げた。
頭を上げたとき、部屋の片隅にぽつんと一つ離れた場所にデスクがあるのが、視界の隅に映った。
何気なく見ると、本や書類を要塞のように積み上げた陰から、あの稲垣の睨むような視線がこちらに向けられていた。
ぞっとして視線を逸らす。

浩一の姿は職員室にはなかった。
ランチルームにいると聞いてそちらに向かう。

ランチルームからは賑やかな声が廊下まで響いていた。
思い切ってドアを開くと、子どもが6人、浩一の周りでしゃべっている。
どうやら、リソースした広報だよりを、各学年、各クラスごとに分ける作業をクラスの生徒に手伝わせていたようだった。
もうほとんど終了し、それぞれ100均カゴの中に入っている。

尚美の姿を見ると、浩一は、子どもたちを見回しながら、「広報委員の近藤さんがきてくれた。みんなも知っているな。よし、作業終わり。ありがとう、先生、助かったよ。あとは近藤さんと先生で確認するから、みんなクラスに帰っていいぞ」と、朗らかに言った。
子どもたちは、入り口に立ちすくんでいる尚美に、「こんにちは」と礼儀正しく明るく会釈しながら出ていく。

生徒たちが出ていったランチルームは、一気に静かになった。
夏の光に焼かれながらもグランドで遊ぶ子どもたちや、廊下でふざけ合う声は響いてくるが、それ以上に自分の呼吸する音のほうが耳にいたい。

「体調は、どう?」
穏やかに、浩一が口を開く。
「大丈夫」
答えながら、ランチルームに足を踏み入れる。
引き戸のドアをあえて開けたまま。

「さっきまで吉川さんも来ていた。びっくりするよね、もうおなかがふっくらとしていたよ。
学校に来るのも久しぶりだと言って、嬉しそうだった。
ナオには、・・・近藤さんには負担をかけて申し訳なかったって言っていた」
カゴを整理する手元に視線を落としながら、浩一が言う。
「俺たちの噂は知らないようだった」

尚美は長テーブルの端で立ち止まる。
浩一まで3m。

「でも、すぐに広まると思う。
社宅の中ではみんな知っているし、向かいのマンションの人も知っていた。
言いふらしているのは社交的で交流の広い人だから、夏休み前には学校にも伝わると思う」
淡々と言った尚美を、浩一は怪訝な表情で見返した。

「なに?」
「いや・・・。冷静だなと思って。困るんじゃないのか、ご主人に知られたら」
「・・・噂だもの、ただの。言いふらしている人、みんなから憐れまれているし」

浩一は怪訝な表情を崩しはしなかったが、どこか安堵したようにまた手元に視線を落とした。

「今日、来るとは思わなかった」
「だって、皆さんにご迷惑かけたもの。お詫びとお礼に来なくちゃ。
救急車で運ばれるなんて、ホント、学校にしてみれば大迷惑でしょ?」
「まぁね。でも、時々あるよ。運動会とか、生活発表会でね。
学校によっては教師の車で救急病院に運んだりするけれど、最近はモンスターペアレントも多いから、万が一、重篤な病気を抱えていたり、搬送中に事故ったりしたら、問題が生じるからね。
だから、ここはできるだけ公的な書類に残す体制になっている。
学校の電話だって、教師の判断ですぐに録音できるようになっているし」

尚美が、「え」という表情になったので、浩一は首を振った。
「大丈夫、ナオからの電話は録音していない。
あくまでも後々問題になりそうな話だけ。ちゃんと相手に断るし。
こちらも言質を取られたら困るから対応も慎重だよ」

お互い不自然なほど淡々と言葉を交わし合う。
既に作業の終了しているカゴを積み上げてみたり、方向を変えてみたりと、浩一の手は動き続けている。

「田中先生。もう作業も終わっているのなら、これで失礼します」
踵を返そうとした尚美の足を、「ナオ」という深い声が止める。

気が付くと、浩一は目の前に立っていた。
一枚の紙片を差し出しながら。

「なに?」
見ると、『鳥越隆史展』の前売り券だった。

驚いて彼の目を見る。
浩一は穏やかな微笑を口元に浮かべ、かすかにうなずいた。満足げに。

「やっぱり、知っていたね。文化会館でこの展覧会が行われること。
きっとナオも知っているって思っていた」

褒められた子どものように無邪気な声だった。
「でも・・・」
「一緒に行きたい」
「無理なのはわかっているでしょう?」
「そういうと思った。・・・でも、行くだろう?」

声は穏やかだが、目は微笑んでいない。
ゆったりと耳に心地よい声の中に、怯えと哀願に似た何かが潜んでいる。
けれど、尚美は首を振った。

「行かない。行く理由がないもの」
「理由は、ある」
「なに?」
「俺たちの・・・、若くて愚かだった恋人たちのために」
「言っている意味が分からない」

尚美は首を振って浩一に背を向けたが、その腕をつかまれる。
尚美の手首には余るほど大きな浩一の手の感触に、尚美は背中をそそけさせた。
忘れていたはずなのに、そのぬくもりが一気によみがえる。

「ドアは開いているのよ」
強く言ったはずなのに、声が震えてしまう。
「聞こえないよ、みんな自分たちのことで忙しい。
稲垣先生だって、今じゃトイレに行くのも教頭の監視付きだ。
誰もこっちのことなど気にはしない」

振り払おうとして振り払えない。
浩一はその尚美の手に前売り券で触れる。
拒むことができるのに、けれど尚美の指はそれを握ってしまう。
乾いた小さな紙片が持つ熱は、浩一の想いをダイレクトに伝えてくる。

尚美は強く目を閉じた。

浩一と自分の関係を吹聴した雅恵をなじれなかったのは、だからだ。
夫を愛していると言いながら、今、浩一の指を振り切れない。

私は行ってしまうかもしれない、鳥越隆史展に。
そこに、もう一人の影を探して。


「ナオ・・・」
「コウ・・・」

その時、遠くから悲鳴や怒鳴り声が聞こえてきた。
思わず顔を見合わす。

騒ぎはたちまち大きくなり、廊下を駆けてゆく乱れた足音まで聞こえてくる。
野太い怒号は職員室のほうから聞こえてくるようだった。

「ここにいて。見てくる」
浩一は、柔らかな目で尚美を見下ろすと軽い身のこなしでランチルームを出ていった。
昔と変わらないフットワークの軽さに、尚美はめまいを覚える。
胸の前で重ねた手の中に、浩一の温もりがある。
それを確かめて尚美も後を追った。

男の怒鳴り声とそれを取りなす教頭の声に交じって、女性たちの悲鳴も聞こえる。
職員室の前の廊下は、中から追い出されたのか、教室から駆けつけてきたのか、教師たちが入り口から大勢のぞき込み、その中に興味津々な目をした生徒が数人、混じっていた。
それに気が付いた教師が慌てて生徒たちを引っ張り出し、どこかへ連れてゆく。
浩一がその中をねじ込むように職員室に入っていくのが見えた。

尚美は先生方の後ろから職員室の中を覗き込んだ。

職員室の真ん中に、仁王立ちした中年の男がいた。
スーツ姿だが、サラリーマンの夫とはまるで違う雰囲気に、自営業なのかもしれないと思う。
教師たちは壁にへばりつくようにして男を遠巻きにし、その一挙手一投足に固唾を飲んでいる。
男は手に何かの書類を持ち、一方の手は床にうずくまってうなだれている女性の手を握っている。
ワンピースを着た女性は、すすり泣いているようだった。
先ほどの悲鳴は彼女のものだったのか。
教頭が二人の前に立ち、おろおろととりなしているが、男の形相は尋常ではない。

「だから、徳井とかいう教師を出せって言ってるんだ。早くここに連れてこい」
「いえ、今日、徳井先生は、その、セミナーで」
「嘘つけ!うちの家内と放課後、学校で会うと約束している。
LINEにちゃんと書いてあるんだ!早くここに連れてこい!
6年3組の担任の徳井だ!」

書類持ったまま振り上げる拳から、教頭を守るように浩一が前に出てゆく。
勢いで引っ張られた女性が、また軋むような悲鳴を上げた。

尚美の周囲の教師たちが顔を見合わせてささやき合う。
その中に、「やっぱり」「不倫」という言葉が混じるのを、尚美は聞き逃さなかった。

背後から覚束ない足音が近寄って来た
誰かがそれに気づき、「あっ」と声を上げる。
その声が合図だったかのように、入り口にたかっていた教師たちがぱっと二つに割れた。
尚美も思わず体を引いた。
まるで花道のような通路を、中年教師がふらふらと職員室へと入ってゆく。
猫背になって全身が怯えに取りつかれたような彼には、「徳井先生」「どうするんだ?」のささやきも聞こえないようだった。

徳井が職員室に入ってきたのを認め、男が吊り上がった目を細めた。
「徳井、だな。徳井幸三。6年3組、うちの次男の担任だな」
憎悪にひび割れた声で質されて、徳井は震えあがって。
「返事をしろ!お前、覚悟もなしにうちのと不倫していたのかっ!」
「いや、その」
「なんだったら、ここで読み上げてやろうか。お前とうちのがやり取りしたメールをよ。
えっ?
毎日毎日、45を越えた男と女が『愛している』だの『運命の恋』だの、羅列しやがって。
あげく、何度ホテルに行ったって?
見せてやろうか、こいつのスマホスケジュール。
ホテルに行った日は、ピンクのハートが書いてあるぞ。ピンクだぞ、おい。
え?お前、知っていたのかよ」

男の怒鳴り声に、教師たちの間にざわめきが走る。

「止めて、お父さん!」
泣いていた女性が男の声を遮ろうと自由な方の手を伸ばしたが、男は邪険に振り払った。
その時、涙と鼻水で化粧も剝げた女性の顔と、なすすべもなく腰が引けている徳井を見て、尚美はふいに思い出した。

以前、そう、今日と同じように広報だよりをランチルームで仕分けしたとき、別のテーブルで顔をくっつけ合うようにしてしゃべっていた二人だった。
深刻な横顔に見えたので、よほど子どものことで悩みが深いのかと同情したのだが、そうではなかった。
あの時、二人はこともあろうに学校での逢瀬を楽しんでいたのかもしれない。

窓を滑り落ちる雨が二人の横顔に愁いを浮かび上がらせていたが、それは、忍び合う恋に酔った男女の昏い昂ぶりだったか。

「どう落とし前つけるつもりだ、え、徳井先生よ。
こいつの実家にはね、1000万、貸してあるんだよ。
メールによると、その借金もきれいに片づけてくれるそうだね、あんた。
でも、あんたんちの長男、高校受験なんじゃないのか?
次男も中学受験だろ。それも私立大学の付属だってな。
たかが公立小学校の教師が、たいそうカネ持っているんだな。
言葉通り、さっさと借金、払ってもらおうか。
ああ、もちろん慰謝料も請求するからな。
離婚するから、お前が面倒みろよ、荷物もそこに運んできてあるから、どこへでも連れていけ!」
「お父さん、いや、私はそんな・・・!」

また振り上げた拳を、浩一が慌てて抑え込む。
男は浩一をにらんだが、自分よりもはるかに上背のある浩一から諭されて、それ以上の暴挙に出ようとはしなかった。
そして、手にしていた紙をばらまくと、女性を邪険に突き飛ばし、先ほどの徳井同様、人の壁の間を憤然と通って行ってしまった。

職員室の真ん中では、夫に振り払われたときに机でぶつけたか、女性が頭を抱えて「痛い、痛い」と泣きわめいていた。
徳井は、へなへなと床に座り込み、教頭はぶつぶつ何かを言いながらが床にばらまかれた紙を拾い集めている。

浩一は、徳井のそばに悄然とたたずんでいた。
徳井のうめき声に嫌悪するように首を振り、そして、ゆっくりと尚美を顧みる。

尚美は、自分の顔色が変わっていくのをはっきりと感じていた。




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