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【  2013年04月  】 

愛の左側31(第一部最終話)

愛の左側(完結)

2013.04.30 (Tue)

私は猛烈に拗ねていた。キャロルに対して怒っていたのはもちろんだが、テジュに対して怒っていた。彼はいつも何も言ってくれない。何も言わずに一人で歩いて行ってしまう。「ユイ?」車に乗ったけれど、そのあとむっつりと黙りこんでいる私をさすがに怪訝に思ったのだろう。彼から先に口を開いた。「先輩・・・、私の部屋に送ってください。今夜は私の部屋に泊ってください」「・・・」「そして、何も言わないで、朝早く出て行って...

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愛の左側30

愛の左側(完結)

2013.04.28 (Sun)

今にも雪が降りそうな重い空の下、今では見慣れてしまったテジュの車は、会社から1ブロック先の道路際でハザードランプを瞬かせていた。駆け寄ると中からドアが開き、いきなり目の前に体を乗り出した姿勢の彼。タートルネックのセーターの上に綾織りのブレザーをはおっている。まさか最初っからこんなに近くで顔を見ることになるとは予想していなかったので、思っていた以上に動揺して狼狽してしまう。それはお互いさまだったよう...

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愛の左側29

愛の左側(完結)

2013.04.28 (Sun)

おはようございます!」遅刻寸前に庶務課の狭い部屋に滑り込む。もちろん、ちゃんと着替えて、メイクもばっちりキメて(目の下のクマを隠さなくちゃいけないから)。課長は気弱に「おはよう」と返し、針金女史はちょっと咎めるような視線で私を見てから、何もかも見透かしたように微笑んだ。パク・ユミンは、ちらりと私を見て、「おはよ」と気の抜けた挨拶。確かに最近の彼女はテンションがかなり低くなっているようだ。私は自分の...

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愛の左側28

愛の左側(完結)

2013.04.28 (Sun)

車の中はひどく冷たい沈黙が支配していた。エンジン音がなければ、私はまた泣き出してしまいそうだった。あまりに情けなくて。テジュは頑なに前方を向いたまま、私の方を一顧だにしなかった。対向車のライトが次々と浮かび上がらせる彼の横顔は厳めしくて、冷たくて、私が声をかけることなど許してくれない。私のマンションまで、車ならたった5分。彼のスーツの上着とコートは後部座席に放り出されたまま。5分ではエアコンが効く...

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愛の左側27

愛の左側(完結)

2013.04.26 (Fri)

温かなリビングの中には、スジョン先輩の香りと、テヒョンが纏っていたアルコールの匂いが混じり合った一種独特の匂いが漂っていた。テジュ先輩は、思い切りベランダのガラスを開く。雪交じりの冷たい風が一気に部屋の中になだれ込み、私は思わず震え上がった。先輩は真っ暗な闇に向かって立ったまま、しばらく黙っている。部屋の中の空気がすっかり入れ替わったと思う頃、テジュ先輩はやっとガラスを閉じ、私を振り向く。「少し・...

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愛の左側26

愛の左側(完結)

2013.04.26 (Fri)

スジョンは、ぐったりとソファに座りこみ、うつむいたまま動かない。その前に上着を脱いでネクタイを緩めたテジュが座り、彼女を見守っている。私はキッチンに立ち、コーヒーを淹れていた。アルコールの方がいいかとも思ったのだが、スジョンの精神状態がどこにあるのかが分からないので、今はコーヒーの方がいいと判断したのだ。エントランスでテジュ先輩にしがみついて号泣した彼女を二人で抱きかかえるようにして部屋に連れてき...

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愛の左側25

愛の左側(完結)

2013.04.26 (Fri)

「どう?庶務課は」「どう、と言われても」「退屈でしょう?」「はい」形だけの乾杯をした焼酎を口に運びながら、ためらいもなく言いのけた私を、間もなく48歳になるという針金女史は愉快そうに見つめた。改めて考えるまでもなく、彼女はキャロルと同い年だ。けれど、二人は好対称。キャロルは年齢不詳の美しさをしなやかに纏っているが、針金女史はぎすぎすした中年女性でしかない。おまけに細いフレームのめがねなんかかけている...

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愛の左側24

愛の左側(完結)

2013.04.26 (Fri)

眠れない。身体が冷え切って、手や足の指先までが凍って眠れない。先輩に取り残された闇の冷たさを引き摺ったまま、私は数日を過ごした。なぜあの時、先輩の寂しい背中にすがりついてしまわなかったのかと唇を噛む。けれど、彼は失意の底にいるキャロルを選んだのだ。それを私には止める術がない。近づいたかと思えば、彼はすぐに遠ざかってしまう。茫漠として先の見えない霧の海のような彼の心がつかみきれないまま、私は凪いだ波...

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愛の左側23

愛の左側(完結)

2013.04.25 (Thu)

張り切って出社した私の机の上、昨日先輩が言ったように、ちゃんと提案書は載せられていた。「このままプランニングしてください。キャロルも了解しました。僕は少し遅れます」とのメッセージも添えられて。「やっぱり寝坊?」つぶやきながらホワイトボードを見れば、キム・テジュのスペースはただ空白。訝しく思いながら、それでも気を取り直し、私は先輩のメモにそっと指を這わせた。ちょっと歪んだ彼の字。右手で書かれた文字は...

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愛の左側22

愛の左側(完結)

2013.04.25 (Thu)

多忙な毎日は冬の凍るような寒ささえ意識させないほど慌ただしく過ぎてゆく。相変わらずチーフは先に席についている。毎日のように舞い落ちてくる雪の結晶よりも美しい横顔を見せたまま。ある朝、「先輩、何時ごろ出社するんですか」と、今さらながらのことを尋ねると、「道が混む前に」と、にべもない答え。「1時間前・・・とか?」「どうせヒマですから」んなこと言ってないってば!先輩はモニターを覗き込みながら、何やら手元...

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25日 優しい手~なでしこ~

4月の花

2013.04.25 (Thu)

「せんせ、せんせ~ってば!」 何度も呼んだのに振り向いてくれない背中に向かって、奈央子は思いっきり声を張り上げた。 「お義兄さんっ!」 女子大生の間で笑顔を振りまいていた長身の男が、ぎょっと背筋を伸ばすと、こちらに頭をめぐらす。 まずいところを見つかったというバツの悪さをその綺麗な顔に浮かべて、でもすぐに諦めの苦笑いに変えて、「奈央ちゃん」と声が返ってくる。 その声で、名前を呼ばれることが奈央子は好き...

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血圧・・・(ーー;)

日記

2013.04.21 (Sun)

昨日から少しめまいがするな・・・と思っていたのですが、今日は朝から頭痛。まずいなぁと血圧を測ってみたら、上が168・・・はい、見事な高血圧。今日は1日安静にしておりました・・・。血圧が高くなってきたのはここ3年ほど。私は「献血」が趣味で、年に3回ほど(うち1回は成分献血)に行くのですが、3年前の夏、血圧を図っていた看護師さんから、「血圧が少し高いですね」と言われて、「へ?」それまでは上が120前後、下...

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フェード・イン 3

フェード・イン

2013.04.21 (Sun)

時は過ぎていく。インスは仕事に没頭していた。あれ以来、スジンと会うこともなかった。新しい仕事はどんどん舞い込み、迷いも不安も感じている時間はなかった。そんなとき、音楽プロモーターのぺク・ヒジンから、インスを指名しての急な仕事が入ってきた。「会ったんだって、チョン・ヒョンジュンと」打ち合わせの席で、いきなりヒジンは切り出してきた。その名前を思い出すのに、インスは少しの時間を必要とした。「ああ。はい、...

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フェード・イン 2

フェード・イン

2013.04.21 (Sun)

時間通りにプランニング会議が終了すると、インスは通いなれた道を待ち合わせのバーへ急いだ。洒落たレストランとスナックの間にある狭い階段を下りていくと、ずっしりと重い木の扉にぶつかる。そのドアを押し開くと、客の呟きが醸し出す喧騒がインスを包んだ。立ち込めるタバコの煙で紗がかかる店内には、名前も知らない古いカンツォーネが低く流れ、ほとんどが一人、多くても2人連れという客たちが、それぞれのテリトリーを主張...

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桜に舞う、四月の雪。「フェード・イン」

ライナーノーツ

2013.04.21 (Sun)

今日、 関東以北の内陸や東北では季節はずれの雪が降ったそうです。長野では1961年の統計開始以来、最も季節の遅い1センチ以上の積雪を記録。栃木県那須では、1990年の統計開始以来、4月下旬としては記録的な大雪に。仙台では4月下旬に積雪を観測するのは1947年以来66年ぶりのこだそうです。季節はずれの四月の雪。色鮮やかな春の花の上に積もる白い雪。・・・ペ・ヨンジュンさんのファンならば、「四月の雪」と言う言葉にビビッと...

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フェード・イン 1

フェード・イン

2013.04.21 (Sun)

「どこへ行くんですか?」「どこへ行きましょうか?」そして、降りしきる雪の中、インスの運転するジープが止まったのは、1年前、二人がお茶を飲んだ『マリンクラブ』だった。あの日と同じテーブルに座り、大きなガラス窓の向こう、雪に覆われた砂浜に打ち寄せる波を見つめる。あの時は、春先のうららかな陽光の中、波打ち際で遊んでいる人たちがいた。しかし、今、雪を飲み込む波を追いかける人はいない。「雪が海に降るのを見るの...

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愛の左側21

愛の左側(完結)

2013.04.21 (Sun)

なんとかチーフの書く文字が判読可能になった日、私は1時間ほどの残業をこなし、雑誌のバックナンバーをめくっているチーフをはじめ、まだ残るスタッフたちの視線を気にしながらフロアを後にした。久しぶりの「Canzone」。そして、多分、もう来ることはないだろう。2カ月前同様、彼は私に背中を見せて先に待っていてくれた。彼の隣のスツールに腰を下ろすと同時に「ジンフィズ」とオーダーし、「久しぶり」と、淡い照明にくっき...

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愛の左側20

愛の左側(完結)

2013.04.21 (Sun)

寝不足の目をアイメイクで誤魔化して出勤する。どうせ、チーフは先にデスクについている。やっぱりね。つい数時間前の臆病な表情など微塵も感じさせず、彼は自分のいすに座ってデータとにらめっこしていた。いつもと同じように右腕だけ袖まくりをして、けれど、私は驚愕した。彼が右手首に腕時計をしている。その上、プリントアウトしたA4の紙に何やら書き込みをしている彼は、なんと左手に赤いボールペンを握っていた。「先輩!...

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愛の左側19

愛の左側(完結)

2013.04.21 (Sun)

・・・ところが、車が止まったのは先輩のマンションの地下駐車場だった。戸惑う私に目もくれずに、ぎくしゃくとした動きで何とか車から降りた先輩は、振り返って車の中を覗き込み、目線で降りることを促す。んなこと催促されても、ここから私に歩いて帰れと言っているわけ?でも、確か、さっきこの車は私のマンションの前を通り過ぎてきたはず。助手席から自宅を振り返り、「あの・・・」と言いかけた私を全く無視したのはどこのど...

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のんびりと・・・

日記

2013.04.20 (Sat)

ベランダで選択物を干していると、少しだけ肌寒いのですが、久しぶりのノンビリとした土曜日です。娘は大学へ行き、夫は会社の50周年パーティで出勤。私はたったひとりの時間を享受しております(^^)余談ですが、夫の会社は創立50周年ですが、現在はホールディングスとなって同列となった元親会社は創立100周年を超えました。私が書いた「だから、あなたのそばに」というお話に出てくる会社も創立100周年の記念パーティを...

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愛の左側18

愛の左側(完結)

2013.04.20 (Sat)

店の外には薄闇が漂っていた。結局テジュはリハビリに行きそびれ、私も挨拶周りを延期してしまった。彼は松葉杖をつきながら、私の前を歩いてゆく。私はそんな彼の後ろからついてゆく。歩道にあふれる人はみんな優しくて、松葉杖の青年を避けながら流れてくれる。「先輩」呼びかけてみても彼は立ち止まらない。私は唇を噛みしめると、ほんの少し歩幅を広げて彼に追いついた。「先輩。今日は帰りましょう。タクシー拾います」「・・...

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愛の左側17

愛の左側(完結)

2013.04.20 (Sat)

私たちの目の前に、イ・キャロルが一本の木のように立っていた。天から伸ばされた細い細い糸で身体の真っ芯を吊り上げられているように、すうっと真っ直ぐに。先日、デモビデオを撮った時には全裸で、けれどまるで臆することなくそこに立っていたが、とろんとしたチュニックブラウスを着た今も、まるで様子は変わらない。そんな瑣末なことなど関係ないのだと感じさせるそのたたずまい。この人はゆるぐことなどないのだろうか?「キ...

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愛の左側16

愛の左側(完結)

2013.04.20 (Sat)

キム・テジュは驚くほど自然にそこに座っていた。彼のデスクに。一月も休んでいたことなど微塵も感じさせない姿に、周りのスタッフの方がどこかそわそわしている。「ソンマネージャー」他のスタッフ同様、半分上の空でモニターをみつめていた私は、いきなり彼に呼ばれて大袈裟なほど大きな動作で顔を上げた。まるで鶴かキリンのように首を伸ばし、彼の方へ頭を巡らせる。周囲の人間たちが私の様子をそれぞれの視界の隅に見て、あち...

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愛の左側15

愛の左側(完結)

2013.04.19 (Fri)

仕事は忙しかった。先輩のお見舞いに行きたいと思いながら、キャロルの言葉を思い出すと、喜ぶどころかどこか気後れしてしまう。スタッフのみんなには、彼の入院は告げなかった。ただ、「チーフは必ず復帰するから」とだけハッパをかけ、手綱は緩めない。キム・テジュの理解者であるハン専務には、また5分間だけ融通してもらい、彼が手術を受けて入院していることだけを伝えた。専務は太い眉をしかめて、「ありがとう」とだけ答え...

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愛の左側14

愛の左側(完結)

2013.04.19 (Fri)

私とミンギは歩道の上に不様に倒れていた。近辺に信号のない車道には、スピードを緩めることもなく自動車が行き交っている。完全に我を失っていた私は、そんな車の前に飛び出してしまったのだ。その私をミンギが思いっきり引き戻し、バランスを失った私たちは二人して歩道に転げたという次第。私は呆然とミンギの腕の中から暗い空を見上げていた。「おい、ユイ。大丈夫か?」「・・・大丈夫・・・かな?」ミンギがにやりと笑うと先...

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愛の左側13

愛の左側(完結)

2013.04.19 (Fri)

翌日、私は寝不足の目をこすりつつ、出勤した。あのあと、パーティ会場に戻った私の視界にはもうスジョン先輩の姿はなく、そしてテジュ先輩も戻ってはこなかった。イ・ミンギの姿までなくなっていたことには一瞬、不審感さえ覚えたが、その後も続いたご挨拶の嵐に私は雑念を忘れた。そして、夜半遅く部屋に戻ったものの、スジョン先輩とのことを思い出してはうなされ、結局、寝不足・・・。そんな私の目の前に、いつもと変わらない...

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愛の左側12

愛の左側(完結)

2013.04.18 (Thu)

週末が終わると、私は張り切って出勤した。一人の週末よりも、仕事をしていられるオフィスの方が何倍も楽しい。・・・って、本当に寂しい30女の典型的なパターンだな・・・。オフィスに一番乗りは、やっぱりテジュ先輩だった。爽やかな顔をして、「おはよう」と先に制され、私も「おはようございます」と返す。私の声の響きに満足したのか、彼は、ゆったりと唇の端を上げてモニターに向き直った。毎朝、この人の態度は変わらない。...

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愛の左側11

愛の左側(完結)

2013.04.18 (Thu)

秋が深まってゆく。一人の休日を過ごすようになって何回目かの休日。もう片手じゃ数えられない。私はマンションの窓際にぼんやりと座り、色づき始めた街路樹を眺めていた。なんで街中に植えられている樹木は落葉樹が多いのかしら?慌ただしい毎日、芽吹き、瑞々しく葉を重ね、色を変え、そして舞い散る樹木の姿に四季を感じさせようという魂胆かな?確かにはっぱが色を変えてゆく様を見ているのは楽しいけれど、後の掃除が大変だ。...

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愛の左側10

愛の左側(完結)

2013.04.18 (Thu)

翌日、チーフはいつものように一番先に出社して、涼しい顔をして仕事をしていた。彼は自分のクライアントを持っているわけではないし、毎日一体何をしているのかと勘繰ってしまうが、まぁ、一応彼は現場を走り回る営業を統括する立場だし、データ分析に忙しいのかと理解しておく。・・・多分、ほかの営業たちもそう思っているはずだった。「おはようございます」「おはよう。今日もよろしく」モニターを睨んだままの、まるでこだわ...

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愛の左側 9

愛の左側(完結)

2013.04.17 (Wed)

「ここは僕たちの大学時代から、いや、もっと昔からあまり変わらないようだね」私たちが歩いているのは、独立門のレトロなエリア。屋台やスーパーは並んでいるけれど、さほどとんがったストリートではない。少なくともここ数年、私は訪れたことはない。でも、だからこそよくわかる。ほんとにここは昔とあまり変わっていない。ドリームシネマの手描き看板がまだ健在だなんて驚きだし、某本屋の今にもなだれ落ちそうな古本の壁は、私...

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Author:tomtarow
好きな俳優さんをモチーフに妄想話を書き続けています♪

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